婚活で約150人会った結果=アロマンティック・アセクシャルを自認

アロマンティック・アセクシャルだと自認したきっかけは婚活だったという人は多いです。

私もそのひとりでした。

アロマンティック・アセクシャルとは「他者に恋愛感情・性的魅力を他者に感じない人」です。

なぜ私がアロマンティック・アセクシャルだと自認したのか。

それは3年間で約150人の男性と出会った婚活の結果です!

この記事では、「私がなぜアロマンティック・アセクシャルだと自認したのか」を婚活体験談と共にお伝えします

目次

子ども大好き!夢は「お母さん」!私、婚活はじめます!

私が婚活をはじめたのは、大学を卒業したての頃からです。

恋人がいたのは中学生のときに一度のみ。

その恋人とも友達のような関係で、手を繋いだりキスしたりしたこともありませんでした。

兎本

大学も女子大だったし、「私は出会いがないから恋愛できなかったんだ」と思っていたよ

そんな私の将来の夢は「お母さん」になること!

子ども好きで保育士にまでなった私は、早く結婚して家庭を持ちたかったんです。

大学卒業したてピチピチの私は、まずは婚活パーティーに出向きました。

婚活パーティーでは最後に「いいな」と感じた人の番号を記載したカードを提出して、マッチングした人とその後デートに行ったり連絡先を交換したりします。

私は毎回「いいな」と感じる人はいなかったのですが「参加費と交通費がもったいない!」と思って、とりあえず誰かの番号は書いていました。

婚活パーティーの後はデートを繰り返すことになるのですが、まあ楽しくない。

兎本

もう本当に全然誰も好きになれない

焦った私は、出会いを増やすためにマッチングアプリにも手を出すことにしました。

マッチングアプリで1回目のプロポーズを受ける

マッチングアプリは計3つほど使っていました。

婚活アプリでは20人以上の男性と出会い、デートを重ねた人もいましたが、誰も好きになれませんでした。

そんな中でアーティスト活動をしている方(以下アーティストさん)と出会いました。

彼のことは人として好きでしたが、恋愛感情というものはよくわかりませんでした。

兎本

婚活は結婚をするためのものなんだから、恋ができなくてもいいか。
相手を知るうちに好きになることくらいできるでしょう。

そう信じてデートをしていた夏の暑い日のことです。

手つないでもいい?

兎本

え!? なんで!?
手つないだらベッタベタになるし、なんか汚くない!?

本心は絶対に手をつなぎたくなかったです。

ですが、心理学的にもボディタッチは恋愛感情を盛り上げてくれるもの。

手をつなぐというボディタッチを通して、アーティストさんのことを好きになれるかもしれません。

私は「いいよ」と言って、彼と手をつなぎました。

それが、もう、本当に本当に申し訳ないんですが、気持ち悪くて仕方が無いんです。

手をつないだだけで、胃がひっくり返るような気持ち悪さでした。

兎本

動きづらいし、半袖同士だから肌がときどき触れ合うのも気持ち悪い。
無理。ごめんなさい。

このとき私は「恋人って会う度にこんな気持ち悪いことしなきゃいけないのか」と絶望しました。

そのデートでは食欲もわかず、ごはんも食べられませんでした。

彼はその後プロポーズしてくれましたが、お断りしました。

なんなら具合が悪すぎてデートは途中でリタイアしたくらいです。

兎本

きっとアーティストさんは私の運命の人じゃなかったんだ

そう思うことにして、より多くの出会いを求めた私は結婚相談所に登録しました。

でもこのときから「私って恋愛できないのかな」という嫌な予感はしていました。

結婚相談所に登録!2回目のプロポーズを受ける

運命の人を探すために、より多くの出会いを求めた私が登録したのは個人経営の結婚相談所です。

いざお見合いです!

たくさんお見合いをする中で出会った真面目な会社員さん(以下、真面目さん)とは、お見合い後に3回お会いしました。

彼からは結婚相談所で知り合ったということもあり、すぐにプロポーズの言葉をもらいました。

そうして話している間に、また

手を繋ぎたい

という話が出たんですね。

今度こそは大丈夫だろうと、繋いでみたんです。

でも、また貧血かと思うくらい冷や汗は出るし、とにかく気持ち悪い。

この人もやっぱり違うんじゃないかと思い、結婚相談所のスタッフさんを通してお断りしていただきました。

私は恋愛できないんじゃないかという疑惑は深まる一方でした。

2件目の結婚相談所に登録!やっとアロマンティック・アセクシャルだと自認する

兎本

手をつないでも気持ち悪くならない運命の人を見つけたい。
そのためには出会いをもっと増やさなきゃ!

ということで、『ゼクシィ縁結びエージェント』に登録しました。

たくさんの男性とお見合いしましたが、最もスマートにエスコートしてくれたのは、高校の先生である教師さんでした。

教師さんは紳士的で優しい人でした。

手を繋ぎたいとも言ってこないし、触ってもこない。

なので思い切って言ってみました。

兎本

私、恋愛が苦手かもしれないです
人を好きになったことがないんです

僕もそうです
あんまり人を好きにならないタイプです

さっぱりと言ってくれた教師さんに「この人のことなら好きになるかもしれない!」と思えました。

何度かデートを重ねたある日、彼は私にプロポーズしてくれました。

ロマンチックな海辺でのプロポーズで、私は「はい」と返事をしたんです。してしまったんです。

その帰りに彼は恥ずかしそうに言いました。

手をつないでもいいかな?

兎本

いよいよこの時がきたな

運命の人というものが存在するなら、教師さんの手をつないでも気持ち悪くはならないはず!

勇気を出して手をつないだ瞬間、教師さんは嬉しそうにしていましたが、私は絶望しました。

兎本

教師さんの手も気持ち悪い。
貧血っぽくなるし、吐き気がしてきた……。

そう。教師さんの手も、気持ち悪いんです。

男性の手特有の堅さと大きさが怖い。

手の甲を撫でてくる指が気持ち悪くて頭痛がする。

それでも笑顔を保っていると、教師さんは私に身体を寄せてきました。

たぶんキスしたかったんだと思います。

もう怖くて怖くて、私は手を離して「こっちから帰るから」と言って駅に走りました。

その後、結婚相談所のスタッフさんを通して正式にプロポーズへのお断りをしました。

そこでやっと悟りました。

兎本

ああ、私って恋愛できない人間なんだな

婚活終了。恋愛できない欠陥人間

かくして、私の婚活は終了しました。

結婚相談所もマッチングアプリも退会。

それでやっと安心した自分に気がついて、無理をしていたんだなと思いました。

兎本

私には恋ができない。
夢だった「お母さん」にはなれない。

子どもが大好きで幸せな家庭を築くことが夢だった私は、恋愛ができるようになりたいと思い、カウンセリングも受けました。

ですがアロマンティック・アセクシャルは、セクシュアリティであり治せるものではありまん。

恋愛できない以上、子どもをつくることは難しいです。

養子や精子バンクも検討しました。

でも「私が子どもが欲しいだけ」という理由で、子どもの人生を変えるのは違うと思い、諦めました。

私は保育士をしていました。

仕事中に子どもと保護者のやりとりを見ると「私にはあの幸せはないのか」と気が重くなりました。

保険や住宅の広告などで家族の絵が描いてあると「私みたいな人間は世間はお呼びじゃないんだ」と卑屈になりました。

アロマンティック・アセクシャルだと自認してから数年経ちますが、今でもその絶望は続いています。

ノンセクシャルの人に会ってみた

私の様子を見かねた家族が「友情結婚もあるよ」と教えてくれました。

友情結婚というのは、性的な関係や恋愛を伴わない結婚の形です。

友情結婚専門の結婚相談所もありましたが試すには料金が高く、とりあえず友情結婚紹介サイトmilkを使用してみました。

milkでは、あるノンセクシャル(ロマンティック・アセクシャル)の男性と出会うことができました。

ノンセクシャルとは「他者に対して恋愛感情は抱くが、性的な魅力を感じない人」です。

彼はお付き合い経験はあるものの、ノンセクシャルであるために恋人を悲しませてしまったことがあるらしく、友情結婚を望んでいました。

とてもいい人だなと思いましたが、私は彼に会ったことで結婚を諦めることに決めました。

今の彼は、確かに他者に性的魅力を感じないノンセクシャルなのでしょう。

でも将来の彼がノンセクシャルであり続ける可能性は100%ではありません。

一緒に暮らしていたら、ある日突然「手を繋ごう」と言い出すかもしれない。

逆に私がそんな風になってしまうかもしれない。

そう考えると怖くて、結婚は無理なんだと悟りました。

【アロマンティック・アセクシャルな私の恋愛観】

結婚を完全に諦めてから

結婚を完全に諦めてからも悩んだり落ち込んだりしてきました。

今でも私は子どもを見ると、手に入らない宝物を見せつけられているみたいで涙が出そうになることがあります。

だけど、私は生きなければなりません。

しかも結婚しないので、両親がいなくなってしまった後は、強くたくましくひとりで生きていかなければいけないんです。

だから新しい夢を持ちました。それは文章で生きていくことです。

私はこうしてブログを書いていますが、作家志望でもあります。

文章を書くことが好きです。

文章で生きていくことができるのであれば、その道を目指したいと思っています。

新たな夢に向かって歩くことで、私はなんとか生きています。

「結婚できなくてもなんとかなるよ!」と笑えるまでには、まだまだ時間がかかりそうです。

でも私は歳をとったときに、このブログを書いた私に「そんなことで悩まなくて大丈夫だよ」と笑って言える人になりたいと思っています。

アロマンティック・アセクシャルのあなたへ

これが、私のアロマンティック・アセクシャルと気づくまでの道のりでした。

アロマンティック・アセクシャルって孤独ですよね。

LGBTの仲間とはいえ、他のLGBTには恋愛感情や性的欲求がある。でもアセクシャルにはない。

恋愛感情や他者に性的魅力を感じる能力は、ほとんどの人間に当たり前のように備わっています。

どんなに言葉を尽くして説明してもアロマンティック・アセクシャルの感覚を理解してもらうことは難しいです。

それを私はとても寂しいことだと思っています。

私もそうだよ。僕もそうだよ。

そんな方がいたら、ぜひツイッターやコメントでお話をきかせてくださいね。

私は婚活でアロマンティック・アセクシャルだと自認しましたが、婚活すること自体は良いことだと考えています。

友情結婚という選択肢もありますよ。

【あなたのセクシュアリティは?】

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この記事を書いた人

文章を書くことが好きなアロマンティック・アセクシャル
ブロガー・ライター・シナリオライター
保育士・幼稚園教諭免許あり

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