アロマンティック・アセクシャルには独特の孤独感・疎外感があります。
私はアロマンティック・アセクシャルです。
アロマンティック・アセクシャルとは『他者に恋愛感情や性的魅力を感じないセクシュアリティ』であり、LGBTの仲間です。
LGBTには続きがあって、正式にはLGBTQIAまたはLGBT+といいます。そのAがアロマンティック・アセクシャルです。

アロマンティック・アセクシャルはLGBTの仲間なんだね。
なのになぜ孤独なの?



むしろ私はLGBTの仲間にはちょっと入りにくい気がするよ


LGBT+・LGBTQIAってそもそもなに?


そもそもLGBT+・LGBTQIAとはなんなのか知っていますか?



うーん、レズとかゲイはわかるんだけどなぁ
という方がほとんどだと思います。
まずはLGBTQIAがそれぞれなんの略なのかをまとめました。
正式名称 | 体と心の性別 | 性的指向 | |
---|---|---|---|
L | レズビアン | 女性 | 女性 |
G | ゲイ | 男性 | 男性 |
B | バイ | 男性・女性 | 男性・女性 |
T | トランスジェンダー | 一致しない | 男性・女性 |
Q | クエスチョニング | 未定 | 未定 |
I | インターセックス | 中間 | 男性・女性 |
A | アロマンティック・アセクシャル | 男性・女性 | × |
クエスチョニングは自分のセクシュアリティがわからない、迷っている人のこと。
インターセックスは男女それぞれの特徴をひとつの体に持っている人の名称です。
他にもパンセクシャル(男女の性別にとらわれずすべての性を愛する人)や、アンドロセクシャル、ジニセクシャルなど様々なセクシュアリティがあります。



人それぞれってことだね
ですが、お気づきでしょうか?
アロマンティック・アセクシャル以外はみんな「恋愛感情や性的魅力を感じる人」達なのです。
アロマンティック・アセクシャルが孤独を感じる理由


アロマンティック・アセクシャルは孤独を感じている人が多くいます。
その理由を解説していきます。
恋愛できない私って欠陥品なの?
アロマンティック・アセクシャルは人口の1%しかいないとされています。
(参考:電通ダイバーシティ・ラボ)



99%の人は恋愛感情や性的に惹かれる感情を持っているのに、私は持っていない
そういう疎外感や孤独感が常にアロマンティック・アセクシャルには付きまとうことになります。
LGBTの人たちは日本でも結婚する権利を得るために活動している人もたくさんいます。
でもアロマンティック・アセクシャルは結婚したいと思っても、恋愛ができない。
愛する人と共に生きるために戦うLGBTの人たちのニュースを見るたびに、「なんて羨ましいんだろう」と思ってしまうのです。
私には、戦ってまで寄り添いたいと思う相手がいない。
そのことが寂しいのです。
アロマンティック・アセクシャルという言葉に出会ったときは「あ、だから恋愛できなかったんだ」とほっとすると共に、「私ってほとんどの人が持っている感情を持っていない欠陥品なんだ」と絶望してしまいました。



LGBT+の人たちは愛のために戦ってるんだよなぁ。
私には権力に立ち向かうほど愛せるような人は一生できないんだろうな。
日常生活での孤独
私は20代後半です。周りの友達は半分くらい結婚しました。
第2子を出産して、子育てをがんばっている友達もいます。
そういう友人を見ていると、アロマンティック・アセクシャルを自認する前の「いつか私もお母さんになるんだよな」と当たり前に思っていた頃の気持ちではいられません。



いいなぁ。羨ましいなぁ。
私には一生手に入らないものを、この人たちは当たり前に手に入れられるんだよな。
そんな気持ちになってしまうこともあります。
こんな気持ちになる原因は、私が子どもが大好きで、いつか母になりたいと夢見て婚活をがんばっていたことも大いにあるのだと思います。
ひとりでもへっちゃらで生きているアロマンティック・アセクシャルの方がいることはわかっています。
それでも私は、今でも子どもを見ると「お母さんになりたかったな」と涙ぐんでしまうことがあります。
両親が年老いていなくなってしまったら、私には家族がいなくなるかもしれない。
恋愛感情がないから恋人をつくることもできない。
そう思うと激しい孤独を感じます。



ショッピングモールの広告や家の販売のチラシのイラストに家族連れしか描かれていないのも地味なダメージ
結婚適齢期という地獄
20代後半にもなると当たり前のように突然結婚する人が現れます。



兎本さんは結婚しないの?
本当はいい人いるんでしょ?
同僚や友人、先輩に聞かれることが圧倒的に多い質問がこれです。
ハラスメントだと思うんですけど、日常会話として言ってくる人が本当に多いんですよね。
この質問をされる度に答えに窮します。



アロマンティック・アセクシャルだって言ってもわかんないだろうし、変な反応されても困るからなぁ
いつも適当にごまかしていますが、もう最近は疲れてきて「逃げ恥みたいな契約結婚ならします」「私、恋愛に興味ないんで」とズバッと言って相手をドン引きさせることに努めています笑


結婚適齢期の間はこの質問をことあるごとにされ続けます。
結婚適齢期が過ぎたら「あの人なんで結婚しなかったのかな?実はなにか大きな問題のある人なんじゃないの?」と勘繰られるのでしょう。
結婚していないことや恋人がいないことを確認される度に、不快感と孤独感に襲われます。



今後は生涯独身の人が増え続けるという話がありますね。
私にとって、それは希望的な話です。
孤独死への不安
私はアロマンティック・アセクシャルだとわかってから、まず実家の墓に入ることができるかを確認しました。
幸い私の骨壺を入れるスペースもあるということなので安心です。
そして、部屋のものを極力減らしました。理由は「死んだときに片付けが楽になるように」です。
結婚していない私が死んだとき、家を片付けることになるのは兄弟か、存命であれば両親になります。
迷惑をかけないようにと、部屋を片付け重要書類や通帳は入れてある箱がわかるように記載したマスキングテープを貼ったりと、いつもこまめな終活を20代後半にして行っています。



家族がいても死ぬときはひとりの人もたくさんいる。
わかっているけど、ひとりで死ぬのは寂しいなぁと感じてしまいます。
アロマンティック・アセクシャルでも孤独を感じない人もいる


アロマンティック・アセクシャルじゃなくても、結婚していない人が世の中には五万といることを知っています。



それでも「できるけど結婚しない人」と「したくても結婚できない人」は違うよなと思っています。
アロマンティック・アセクシャルでも人生を謳歌している人はたくさんいますし、孤独なんて感じないよという人もいますよね。
恋愛感情と性的魅力を他者に感じないという特性があるだけなので当たり前のことですが、いろいろな人がいることは百も承知。
ただ、私みたいに孤独を感じているアロマンティック・アセクシャルがいることもネットの片隅で伝えておきたいと思ったのでこの記事は書きました。
共感してくださるアロマンティック・アセクシャルの人はいらっしゃるのではないでしょうか?
孤独に負けず、がんばって生きていきましょうね!




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