
『アロマンティック』や『アセクシャル』ってラベリングする必要あるの?



ラベリングすることで、まだ初恋を経験したことがないだけの可能性がある人を『アロマンティック』や『アセクシャル』という枠に押し込めることになるのでは?
私はアロマンティック・アセクシャルです。
ネットの海で、上記のような意見を目にしました。
ラベリングとは「この人はアロマンティック・アセクシャルだ」などと決めつけることを言います。
ラベリングの必要性については、私はあると思います。
ただし本人によるラベリングに限って!
『アロマンティック・アセクシャル』をラベリングすることのメリット


自分自身にアロマンティック・アセクシャルというラベリングをすることには大きなメリットがあります。
- 自分の居場所ができる
- 自分の時間を大切にできる
1.自分の居場所ができる
私が『アロマンティック・アセクシャル』という言葉に出会ったのは婚活中のことです。
まったく人を好きにならなかったので、大学卒業後すぐに婚活をはじめました。
そこに待っていたのは、「恋愛」という文化への混乱です。
- 手を繋ぐという簡単なスキンシップで吐き気を催す
- そもそもなぜ手を繋ぎたいのかがわからない
- 恋愛感情を向けられると「たった数回しか会っていない私のどこがよかったの?」と、相手が理解できない宇宙人に見える
- 告白されてもプロポーズされても「なんで?」としか思えない
相手は私に恋愛感情や性的魅力を感じてくれている。
なのに、私はまったく感じない。その感覚も理解できない。



もしかして私ってホルモン的な病気だったりするの?
と悩んでいたときに、たまたま婚活で出会った人から



前の彼女がアセクシャルでさ~
という話を聞いて『アロマンティック・アセクシャル』という言葉に出会いました。



アロマンティック・アセクシャルってなに!?
恋愛や性的なことがイヤな人がいるってこと!?
大急ぎで調べた結果、出てきたアロマンティック・アセクシャルの情報と照らし合わせると、見事合致。
そこで私は自分に



私はアロマンティック・アセクシャルなんだ
というラベリングをすることができたのです。
アロマンティック・アセクシャルというラベリングを自分に行うことで私は自分を許すことができました。
- 手を繋ぐのがイヤならしなくていい
- 恋愛や結婚は無理にする必要はない
- アセクシャルとして自分らしく生きていい
『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』にこんな言葉があります。
自分の居場所は、まず、自分の中に作ることが必要なのです。
引用:『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』
私はラベリングを自分に行うことで、『アロマンティック・アセクシャル』という居場所を自分の中に作ることができました。
周りと違うことは不安に感じられることもありますが、



恋愛できない人間なんだから仕方ないじゃん
と自分を許してあげることができるようになったのは、『アロマンティック・アセクシャル』というラベリングをすることができたからです。
2.自分の時間を大切にできる
『アロマンティック・アセクシャル』だと自分にラベリングをすると、「恋愛」や「性的なこと」はできないんだということに気がつきます。
つまり、『アロマンティック・アセクシャル以外の人たち』が「恋愛」や「性的なこと」に費やしている時間を自由に使うことができるのです。



私は婚活に3年もの時間を費やしてしまいました……。
できないことをやり続ける無益な時間より、自分の成長や趣味に使う有益な時間を過ごした方が断然いいですよね?
アロマンティック・アセクシャルというラベリングを自分に行えたことで、私にはたくさんできたことがあります。
- 友達や親との旅行
- 週末のボードゲームサークルへの参加
- 趣味の小説の投稿
- ブログを書く
- 仕事の勉強
- ただただ眠り続ける休日
『アロマンティック・アセクシャル』というラベリングを自分にできたことで、「できないこと」より「やりたいこと」に気持ちが向くようになりました。
『アロマンティック・アセクシャル』をラベリングすることのデメリット


アロマンティック・アセクシャルをラベリングすることにはメリットもありますが、当然デメリットもあります。
- 恋愛をしてはいけないという窮屈感がある
- セクシャルマイノリティの寂しさは感じる
1.恋愛をしてはいけないという窮屈感がある
自分は『アロマンティック・アセクシャル』なんだというラベリングを行うと、「恋愛をしてはいけない」という固定観念にとらわれてしまう場合があります。
そのことを窮屈に感じる人もいるかもしれませんが、大丈夫です。
セクシュアリティは流動的なものなので、変化するんです。
このブログでも『アセクシャルに似たセクシュアリティ』というカテゴリーで、『デミロマンティック』や『ノンセクシャル』などについて紹介してきました。
『アロマンティック・アセクシャル』だと自分にラベリングしていた人が、強い絆を感じた人にある日突然恋愛感情を抱き『デミロマンティック』や『ノンセクシャル』だったのかと気がつく場合もあります。
そんなときに



私は『アロマンティック・アセクシャル』ってラベリングしてたじゃんか!
と自分を責めたり、カミングアウトをしていた誰かにからかわれたりすることがあるかもしれません。
でもそんなことは気にする必要はありません。
『アロマンティック・アセクシャル』という箱の中が窮屈に感じたら、その箱からはすぐに飛び出してしまえばOK。
『アロマンティック・アセクシャル』というラベルの上から、新たに発見したラベルを貼り付けてしまいましょう!
そもそも他者があなたのラベリングについてとやかく言うことは間違っています。
他者のセクシュアリティをラベリングしてはいけないのです。
なぜなら、「他者に見せている自分」と「本当の自分」は多少なりとも違うからです。
他者からのラベリングはベリッと剥がして捨てといてください。
2.セクシャルマイノリティの寂しさは感じる
『アロマンティック・アセクシャル』は人口の1%しかいません。
そのことに寂しさを感じることがあります。
また家族がいる今はいいけど、両親が亡くなったあとの自分はどうなってしまうんだろうという不安も常に付きまといます。
これは『アロマンティック・アセクシャル』つまり「恋愛も結婚も難しいセクシュアリティ」というラベリングを自分に行ったときからのことです。
でも、その寂しさや不安は仲間を見つけることで解消できるはずです。
今はTwitterやアプリで仲間を探せる時代です。
ネットの力を借りて、寂しさや不安を払拭できる仲間を探しましょう!



もちろん私も仲間のひとりです!
気軽にコメントやツイッターで話しかけてね


ラベリングはしたい人がすればいい


私は自分に『アロマンティック・アセクシャル』というラベリングをおこなってよかったと思っている人間です。
確かに寂しさや不安を感じることもありますが、「恋愛・結婚しなくてOK」「自由な時間が増える」という点は、大きなメリットだと感じています。
でも、自分に『アロマンティック・アセクシャル』というラベリングをしたくない人もいますよね?



まだ恋愛できるかもしれないし、『アロマンティック・アセクシャル』というカテゴライズはされたくない
そんな人は無理にラベリングする必要はまったくありません。



「私はアロマンティック・アセクシャルなんだ!」と思うことでラクになる人だけがラベリングすればいいんだよ。
他者になにかをラベリングされても、気にせずそんなラベルはひっぺがして捨てちゃえ!


ラベリングは自分の心の中でだけすればいい
以前に『アロマンティック・アセクシャル』をカミングアウトするメリット・デメリットの記事をあげました。
この記事にも書いたとおり、私はカミングアウトしちゃう派です。
そうすることで「いつ結婚するの」とか「恋人はいないの」とかの面倒な話題から逃れられるからです。



恋バナを求められる度に「恋愛したくないんで~」とジャブみたいなカミングアウトをしてるよ


自分に『アロマンティック・アセクシャル』というラベリングを貼ったからといって、私のようにカミングアウトする必要はまったくありません。
あなたが伝えたいと思ったら、カミングアウトすればいいんです。
他者があなたを『アロマンティック・アセクシャル』とラベリングすることはいけないことという話をしました。
つまり、『アロマンティック・アセクシャル』というラベリングは自己完結でいいんです。



あなたが『アセクシャル』だと思ったら、『アセクシャル』でいいんです!
ですが、恋愛できるのにしていない人が「わたし今アセクシャルの時期なんだよね~」などと言うのは、間違ったラベリングです。
アロマンティック・アセクシャルについて詳しく知ってから、自分にラベリングしましょう!
この記事がお役に立てると思います
→「アロマンティック・アセクシャルとは」
ラベリングは自分の心の中で、したい人だけすればいい
メリット
- 『アロマンティック・アセクシャル』という自分の心の居場所ができる
- 自分の時間を『アロマンティック・アセクシャルでない人』より多く持つことができる
デメリット
- 『アロマンティック・アセクシャル』という箱に入れられる窮屈感がある→その箱からはいつ出てもいいんですよ
- セクシャルマイノリティの孤独を感じる→今はネットで仲間を探せる時代です
- 『アロマンティック・アセクシャル』というラベルが嫌ならラベリングはしなくていい
- ラベリングは自分自身で行うもの。他者からのラベリングは無視していい
- 『アロマンティック・アセクシャル』というラベリングをしたことをカミングアウトする必要はない



あなたが自分に一番ぴったりのラベルを見つけられますように!
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